スーツ
ああうあう
頭がオカシクなったわけではない。
しばらく開いてもいなかったはてなブログのアプリのアイコンをおもむろにタップした。
ログインを済ませ何か書こうと思ったら
「原稿を復元しますか?」というポップアップが出てきた。
あれ?何か書いてる途中だったっけ?と記憶を探りながら「はい」をタップしたとたんに復元されたのが冒頭である。
ああうあう
全くもって意味が分からない。
そんなことはどうでも良くて、今、12月から働き始める会社に向かっている。
前の会社を辞めたときに妙な自分語りをしたくて始めたこの書記は、いつの間にかラーメン大好きおじさんのブログに成り果てた。
もしかしたら自分には文才があるのではないかという淡い驕りが砕け散ったこともある。健康が心配になるほど食べ記していたラーメンたちにも感動することが少なくなり、書き留めるまでに至らなくなってしまった。(ラーメンは食べ続けている。おかげで体重は水平を保っている。)
そのまま放置に至る。こんな文章を書いたって書かなくったって世の中は変わらない。時間を浪費したと思うまである。
じゃあなんでまた開いてしまったのか。
改めてスーツを身に纏った自分の姿になんとも言えない気分になったからだ。スーツは嫌いじゃない。幸い体型的には似合う方だし締まった感じがして、どちらかというと好きだ。しかしそれを改めてキチンと纏うことは新たな戦場に身を投じると同義だ。
本当にこれで良かったのか。そんな問いが頭から離れることはない。まだなにも分からないし、きっと良かったはずだと自分を納得させるしか術はない。そんな自問自答に真っ向から立ち向かう体力はもう持ち合わせていない。
幸か不幸かはまだ分からない。
少なくとも分かっているのは、生きたいような生き方にはある程度のお金がいるし、今のところ自分は雇われて働くしかそれを得る術を持ち合わせていない。
夢も希望もない理由だけれど、夢や希望を得るには必要なのだ。
そんなことばかり考えて1ミリも進まない間に、電車は着いてしまった。